2009年02月04日
欧州が注目し始めた「減価」するゲゼルマネー
10年前のアジア通貨危機のころ、ミヒャエル・エンデを追悼した『エンデの遺言』を読んで「減価するマネー」を知った。1900年代の初頭にドイツのシルビオ・ゲゼルが提唱したこのお金は世界大恐慌の直後、ドイツやオーストリアの一部で現実に導入され、流通が速いお金として注目された。ドイツ南東部の炭坑町、シュヴァーネンキルヘンという人口500人の町では小鉱山主のヘベッカーが「ヴェーラ」という自由通貨を発行して町を活性化した。オーストリアのチロル地方のヴェルグルでは鉄道工夫のウンターグッゲンベルバーが町長に選出されると、「労働証明書」という「通貨」を発行し、大規模な公共事業を起こして、この新紙幣で賃金を支払った。町の商店も新紙幣を歓迎した。
この紙幣の特徴はやはり「減価」するというものだった。毎月1%ずつ価値が下がる仕組みで、紙幣に12個のスタンプを押す升目があって、町が売り出すスタンプを貼らないと額面を維持できない。このスタンプ代は一種の税金であるが、住民はなるべくスタンプ代を支払う必要がないようにできるだけ早目に使おうとするから紙幣は驚異的なスピードで循環した。失業の町は瞬く間に活況を呈した。
1932年はゲゼル・マネーが初めて世界的に注目を集めるようになった年である。欧米の経済学者やメディアがこぞってオーストリアの小さな村を訪れ、「減価」するマネーの威力を世界に伝えたという。残念なことに「労働証明書」はまもなくオーストリア通貨当局から疑似通貨として発行を禁止された。もちろんヴェルグルは元の失業者の町に戻ってしまった。
経済の破綻は失業者の増価を招く。失業者の急増によって、革命が芽生えたり、全体主義の台頭を許したりしたことは歴史の教訓である。
現在、われわれが使っているお金は「増価」する通貨である。本来、通貨は物々交換の代わりに登場したもののはずだったが、利益の蓄積によって金貸し業が勃興し、「金利」の概念を生む。マネー経済は「利」が「利」を生む経済である。何も生産しなくとも「富」が「富」を生む仕組みである。金持ちがますます金持ちになる仕組みでもある。
マネー経済が破綻した昨今、欧米のメディアは再びゲゼルの「減価するマネー」に注目し始めている。ゲゼルマネーやドイツで起きている「キームガウアー」に関する報道が出始めているのだ。日本のメディアはまだ関心を示していないが、国際平和協会はかねてから日本でのゲゼル研究の第一人者である森野榮一氏に注目していた。2月21日(土)「」と題して森野氏の懇話会を開催する。関心のある方の参加を希望します。
森野榮一氏懇話会「金融・経済危機脱出の途を探る~金融システム改革とゲゼルマネー」
日時:2月21日(土)14時開始
場所:TKP虎ノ門ビジネスセンター「カンファレンスルーム3C」
詳しくはhttp://ch01617.kitaguni.tv/e813973.html
キームガウアーに関しては美濃口坦氏の「欧州どまんなか」
http://www.geocities.jp/tanminoguchi/20060808.htm
Depreciating currencies The money-go-round
Jan 22nd 2009 | MUNICH
Will old-fashioned scrip make a comeback?
http://www.economist.com/finance/displaystory.cfm?story_id=12998254
A cure for depression? Try funny money
A challenge in any economic downturn is getting people to part with cash. One solution from the 1930s: 'scrip,' a currency that's taxed if it isn't spent
January 31, 2009
Lynda Hurst
http://www.thestar.com/News/Insight/article/580076
In the Land of the Euro, Small Towns Adopt Alternative Currencies
By CARTER DOUGHERTY
Published: February 9, 2007
http://www.nytimes.com/2007/02/09/business/worldbusiness/09currency.html?ex=1171602000&en=b29cd4fc806e1074&ei=5040&partner=MOREOVERNEWS
1932年はゲゼル・マネーが初めて世界的に注目を集めるようになった年である。欧米の経済学者やメディアがこぞってオーストリアの小さな村を訪れ、「減価」するマネーの威力を世界に伝えたという。残念なことに「労働証明書」はまもなくオーストリア通貨当局から疑似通貨として発行を禁止された。もちろんヴェルグルは元の失業者の町に戻ってしまった。
経済の破綻は失業者の増価を招く。失業者の急増によって、革命が芽生えたり、全体主義の台頭を許したりしたことは歴史の教訓である。
現在、われわれが使っているお金は「増価」する通貨である。本来、通貨は物々交換の代わりに登場したもののはずだったが、利益の蓄積によって金貸し業が勃興し、「金利」の概念を生む。マネー経済は「利」が「利」を生む経済である。何も生産しなくとも「富」が「富」を生む仕組みである。金持ちがますます金持ちになる仕組みでもある。
マネー経済が破綻した昨今、欧米のメディアは再びゲゼルの「減価するマネー」に注目し始めている。ゲゼルマネーやドイツで起きている「キームガウアー」に関する報道が出始めているのだ。日本のメディアはまだ関心を示していないが、国際平和協会はかねてから日本でのゲゼル研究の第一人者である森野榮一氏に注目していた。2月21日(土)「」と題して森野氏の懇話会を開催する。関心のある方の参加を希望します。
森野榮一氏懇話会「金融・経済危機脱出の途を探る~金融システム改革とゲゼルマネー」
日時:2月21日(土)14時開始
場所:TKP虎ノ門ビジネスセンター「カンファレンスルーム3C」
詳しくはhttp://ch01617.kitaguni.tv/e813973.html
キームガウアーに関しては美濃口坦氏の「欧州どまんなか」
http://www.geocities.jp/tanminoguchi/20060808.htm
Depreciating currencies The money-go-round
Jan 22nd 2009 | MUNICH
Will old-fashioned scrip make a comeback?
http://www.economist.com/finance/displaystory.cfm?story_id=12998254
A cure for depression? Try funny money
A challenge in any economic downturn is getting people to part with cash. One solution from the 1930s: 'scrip,' a currency that's taxed if it isn't spent
January 31, 2009
Lynda Hurst
http://www.thestar.com/News/Insight/article/580076
In the Land of the Euro, Small Towns Adopt Alternative Currencies
By CARTER DOUGHERTY
Published: February 9, 2007
http://www.nytimes.com/2007/02/09/business/worldbusiness/09currency.html?ex=1171602000&en=b29cd4fc806e1074&ei=5040&partner=MOREOVERNEWS
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この記事へのコメント
両親が、夫婦生活を始めた昭和40年初頭(1965年)頃、国民金融公庫の俸給は月額弐万円であったといいます。
今年は、高度成長期のインフレ、デフレ論争に関する本を読み込み、これからの経済社会を考察してゆきたいと思います。
今年は、高度成長期のインフレ、デフレ論争に関する本を読み込み、これからの経済社会を考察してゆきたいと思います。
Posted by クレッチマー気質の男 at 2009年02月04日 16:41


