2009年04月20日
雇用は自ら生み出すものではないか
ムハマド・ユヌス氏によるマイクロクレジットの講演から学んだことの一つは「雇用」という概念だ。ユヌス氏が強調したのは「バングラデシュには雇用がない」ということだった。バングラデシュの人々は、雇用がないから生活の糧を得るために自ら機織りをしたり、ニワトリを飼って卵を産ましたりしなければならない。つまり生活をするために「自営」の“事業”をまず考えることからはじめなければならないのだ。
いま大学生は来年3月の卒業に向けて就職活動に必死である。家業を継ぐ覚悟をした少数の学生以外はすべて「他力本願」である。定年を控えた中高年齢層もまた、60歳以降の「雇用してくれる先」を捜している。同じく他力本願で、誰もなりわいを自ら創出するなど考えもしない。
続きを読む
2009年04月15日
平成に蘇った『死線を越えて』 PHPが復刊
社会運動家、賀川豊彦の大正期のベストセラー『死線を越えて』がPHP研究所から復刻された。賀川が神戸のスラムで献身活動を始めたのが100年前。世界的な経済危機のさなか、貧困が再び社会問題化する世相にもう一度読みたい一冊だ。同書の初版が改造社から発刊されたのは1920年。賀川は米プリンストン大学留学から帰国して3年、大阪市の「購買組合共益社」と神戸市の「神戸購買組合」を相次いで設立、播磨造船の労働組合長に推され、社会運動家としても注目され始めていた時期だ。
続きを読む
2009年04月07日
上北沢のサクラと賀川豊彦
一昨年、昨年と47NEWSの編集に携わりながら、全国のサクラ紹介とサクラマップをつくってきた。その仕事からは外れたが、「花咲爺ブログ」を続けて欲しいという要望があった。今まで筆が進まなかったのには理由がある。今年の桜前線は例年より早く列島を北上するとの予測が出ていたが、3月後半の寒さで、開花宣言から満開まで時間がかかった。そういうわけで、サクラを愛でる意欲が例年より減退していた。しかし、何冊か新たにサクラの本を取り寄せ、東京のサクラの名所を歩き始めるとエンジンがかかってきた。5日は筆者が隠れた東京の名所だと思い込んでいる上北沢の駅前を訪れた。
続きを読む
2009年04月06日
泰山府君という名のサクラ
泰山府君という名のサクラがある。大振りの八重桜で花弁が35-40枚もある。花の外側ほど色が濃く、中心部は白い。新宿御苑にもあるから、名前を知らなくとも見たことがある人は多いはずだ。間違えても中国から渡来した品種だと思ってはいけない。里桜といわれる、いわゆる配合種の一つである。能を趣味にしている人はたぶん、その名前の由来も知っているはずだ。能「泰山府君」は世阿弥の作として伝わる能の演題にもあり、まさしくその名前が生まれた平安時代の物語を素材としているからだ。
続きを読む
2009年04月01日
賀川豊彦の復刻第二弾『空中征服』、4月28日ごろ
『死線を越えて』(4月7日)に続いて、賀川豊彦の復刻版の第二弾、『空中征服』が不二出版から4月28日ごろ出版されます。賀川は『死線を越えて』で、大正期のスラムの貧困という重いテーマに取り組みました。『空中征服』も当時の大阪の公害問題や市政をめぐる官民の汚職・癒着などがテーマとなっていて同じく重たいのですが、奇想天外な筋書きで抱腹絶倒、読者を最後まで飽きさせません。復刻版に解説を寄せた神戸文学館の義根益美学芸員は以下のように語っています。復刻されるのは、1989年、日本生活協同組合連合会が出版された『空中征服』です。1922年出版の改造社版の復刻ではないのは、日生協版のあとがきで賀川純基氏が、「多くの人、特に若い人に読んで頂きたいと、読みにくい文字をやさしいものに替え、かなづかいを現代のものにし」たと、書いておられた理由と同じです。改造社版は、総ルビではありますが、旧字、旧仮名遣いですから、そういう表記に慣れていない人達にとっては読みにくいこともあり、日生協版の復刻になりました。
続きを読む


